いかなる法も、人間に向かって、食べるように、飲むように、と命じることはないし、手を火のなかに入れないように、と禁止することもない。喜びなんか生まれる余地はないはずなのに、とにかく的確かつ過不足なく描き尽くされているというその事実だけで何らかの満足感を与えてくれるようなところがある。それとも、暗い地中で誰に気づかれることもなく永遠に閉塞感に苦しめられるように謀ることで、やっと周囲が納得してくれるということか。樹木たちは、あらたにできた空間に、いっそう喜ばしげに、その動かない枝をはりひろげるのだった。
Justification
(Arguments for the existence of Space)